ジャパニーズハードコアパンクの黎明期を追った
『ちょっとの雨ならがまん』の安田潤司監督が
次回作の着想を得たのは、演劇界の奇才・飴屋法水をはじめとする
アンダーグラウンドシーンを席巻していたアーティストたちとの出会いだった。
飴屋法水のアートユニット、テクノクラートのマシンと
美術家・三上晴子のオブジェが圧倒的な存在感を放ち、
映画史上類をみないかたちで現代アートと映画の融合が実現した。
出演に名を連ねるのは、東京グランギニョル、M.M.M.、テクノクラートのメンバー、
石川成俊、棚橋ナッツ、上野仁、佐野秀介。
ハードコアパンクバンドG.I.S.M.の横山SAKEVI。
頭脳警察のパンタと石塚俊明。そして、飴屋法水とテクノクラートのマシン。
登場人物すべてが本人として登場し、仮想現実と戯れるように物語が紡がれていく。
東京、ウクレレをかき鳴らしながらシャウトし街を闊歩する
ウクレレバンドのガソリン兄弟(タナハシ、ウエノ、サノ)。
瀬戸内海の島で動物や昆虫の研究に没頭しながら静かな生活をおくる青年・ナルトシ。
不気味なマシンが鎮座する施設で生活するアメヤ。
ガソリン兄弟の友人、ワクタの宝物・木彫りの「おばあちゃん」が
泥棒に盗まれたことでひと夏の平穏な空気は一変する。
アメヤのマシンが意思を持つ生き物のようにひとりでに動き出し、
ガソリン兄弟とワクタは奇妙な幻想に取り憑かれ、ナルトシとの壮絶な争いが勃発する。
映画『ファー・イースト・ベイビーズ』
(1993/日本/ビスタ/16mm→HD)
出演:石川成俊、棚橋ナッツ、上野仁、佐野秀介、和久田理人、柴崎賀宜、
飴屋法水、SAKEVI(G.I.S.M.)、PANTA(頭脳警察)、石塚俊明(頭脳警察)、
鈴木源一郎、キース、ショウ、ミズタニモトコ、永福町姉妹、宮崎マサヤ、友谷英孝
監督・編集:安田潤司
脚本:安田潤司、唐原理恵
撮影:諸沢利彦
照明・撮影助手:長井和久
撮影助手:青木正
録音:鈴木昭彦
録音助手:井口奈己
美術・操演・特殊メイク・ケータリング:石毛朗
美術協力・マシン・オペレート:飴屋法水、石川成俊
監督補:西山洋一
制作主任:大坪草次郎
宣伝美術:佐々木暁
配給:P.P.P.project + silver gelatin
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